今年の紅白には、9人組ガールズグループ「TWICE」、6人組ガールズグループ「IVE(アイヴ)」、多国籍5人組ガールズグループ「LE SSERAFIM(ル セラフィム)」といった、韓国の芸能事務所に所属するガールズグループが出場する。複数組の出場は、東方神起(03年結成)、KARA(07年結成)、少女時代(07年結成)の3組が出場した11年以来、11年ぶりとなる。

TWICEは15年結成で、17年から3年連続で紅白に出場。日本人メンバーが3人在籍しており、日本国内での知名度や人気も非常に高い。しかし、デビュー1年以内のIVE(21年12月デビュー)、LE SSERAFIM(今年5月デビュー)が初出場を決めたのは”異例”とも言える。

なぜこうなったのか-。1つは、日本人メンバーがいることが大きいだろう。今や多くの日本人が夢を持って渡韓し、韓国で活躍している。IVEにはラップを担当するレイが所属、LE SSERAFIMには、SAKURA(宮脇咲良)、KAZUHAの2人が在籍している。

IVE、LE SSERAFIMは、たしかに日本国内での“知名度”はまだ低く、紅白初出場に疑問の声も聞こえてきそうだが、日本での活動にも積極的だ。IVEは10月に日本デビューを果たしている。LE SSERAFIMの所属事務所「HYBE」は、今月の会社説明会で「韓国と日本を含むグローバルファンとコミュニケーションをする活発なアルバム活動をサポートする」と話しており、近くの日本デビューも期待されている。そして、両グループともすでに日本で開催されたライブに出演しており、人気も実証済みだ。

また、近年韓国でデビューするガールズグループがモンスター級の活躍をみせていることも1つの理由だ。韓国国内で多くのガールズグループがデビューしているが、どのグループもコンセプトが豊かで、パフォーマンスの完成度が高い。コロナ禍でおうち時間が増えたことで、YouTubeなどを見る人が増えた。韓国は音楽番組でのパフォーマンスがYouTubeにすぐにアップされるケースが多く、日本国内にいてもレベルの高いパフォーマンスを、気軽に見られることも多くのファン獲得につながった。

さらにグローバルでの人気も高い。米国をはじめとした海外の主要音楽チャートでもランクインし、米国「ビルボード」のランキングにもチャートイン。IVEは、海外での公演も成功させている。会見直前の13日には、タイでの公演を成功させた。

韓国国内の歴代ガールズグループ初動(発売1週間)アルバム販売量では、IVEが90万枚以上、LE SSERAFIMも55万枚以上と、どちらもTWICEを越えている事実もある。他にもKep1erや、NMIXXなど、力のあるグループが相次いでデビューしており、“戦国時代”とも言われている。

そして1番大きな要因は、新型コロナによる入国規制が緩和されたことだ。実際、ここ数カ月で多くの韓国グループの来日が続いている。コロナ禍でデビューしたグループが初来日し、日本のファンの前で初めてパフォーマンスする機会が増えている。紅白では20年のコロナ禍に突入後、K-POPグループの出場が途絶えたが、コロナが1つの原因だ。その間には、韓国の芸能事務所に所属する9人組ガールズグループNiziUが活躍し、架け橋となった。

日本におけるK-POP大ブームは、11年に出場した“レジェンド”たちが火付け役となった。スラっとした抜群のスタイルや、マネしたくなる髪形、レベルの高いパフォーマンスに憧れる若者が続出した。そしてNiziUが誕生した「Nizi Project」で、さらに注目を集めた。さらに今回同じく初出場を決めたBE:FIRST、JO1などが参加したオーディションで、K-POPがより身近に感じるようになっただろう。

今や渋谷や新宿、多くの主要都市ではK-POPが街中で流れている。日本の音楽シーンでも、K-POPを無視できない状況になっている。【佐藤勝亮】