木村拓哉(50)が主演し、綾瀬はるか(37)がヒロイン役を務める映画「レジェンド&バタフライ」(大友啓史監督)が明日27日から公開される。

2人がこのほど日刊スポーツの単独インタビューに応じた。連載第2回(全3回)は、織田信長、正室の濃姫として2人が、劇中でも見せた「強さ」の秘訣(ひけつ)とは-。【聞き手=横山慧】

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-劇中でも信長と濃姫の「強さ」が際立っているように思います

木村 むしろ僕は逆なのかな、とも思っています。濃姫と出会って、「天下布武」っていうものにチャンネルがつながって、京にのぼって、将軍に近づけば近づくほど、敵が目の前に現れていく。彼は劇中で「逆らう者は全て殺せばいい」って言ってはいるんですけど、多分本人が一番恐怖に駆られていたと思うし。強さではなくて、要は立ちふさがる相手を全てあやめない限りぐっすり寝られない、っていうところまで追い込まれていたと思うので。その弱さが、はたから見たら強さだったんだと思う。彼は本質的には、前に進めば進むほど実は弱っていたんだろうなという。

綾瀬 濃姫も基本的に気高くて強いんだけれど、信長さんを大事に思えば思うほど変わっていく。前みたいに同志のように話し合えない仲になっていくことに対しての切なさとか。もうちょっとぶつかっていけばいいけど、濃姫は濃姫の思いゆえに弱くなったりして。大事な人ができれば強くなるけれども、反対に弱くなる部分もあるなぁ、ってすごく思いますね。

木村 だから後半で、彼も1人でいることに限界を感じて、「そばにいてくれ」っていう流れになってると思います。あそこは非常に、どう体現したらいいのかすごく現場でも迷ったんですけど。濃姫を目の前にして「わしのそばにおってくれ」って伝える時。

綾瀬 はい。

木村 でもなんか、その彼の地位とか、置かれている立場っていうものが…。要は、男として1人の女性に「そばにいてくれ」って言うことに、立場は関係ないなと思ったので、膝をついたんですけど。その場に居合わせた(福富平太郎)貞家役の(伊藤)英明や、各務野役の中谷(美紀)さんは、「ビックリしました」って言っていました。あのシーンは全員立場はバラバラなんですけど、なんか共通の涙を流していたような感じがあります。

-舞台あいさつでも「普遍的な愛」とおっしゃっていましたが、そこには現代にも通ずるような愛が背景にあったと

木村 その答え合わせじゃないですけど、本能寺の最後のシーンで…。歴代の諸先輩方が演じてこられた織田信長っていうのは、あそこで扇子を広げて、「敦盛」の「<歌詞>人間五十年-」を舞うんですけど、今回に関してはそうじゃないかもな、って思って。勝手に自分が解釈させていただいた流れと、濃姫も含めた表現になっています。「敦盛」の一節を何度も何度も、彼は言った。それは彼女に対する思いなんだろうなって、思います。

綾瀬 濃姫も、最初のほうでは「首をかっ切ってやろう」と思っていたところから、だんだんと心が変わっていく様子がすごい丁寧に描かれてると思います。「お前の役目はわしの妻じゃ」って言われたりしていく中で、やっぱりちょっとずつ「この人ってすごい人かもしれない」っていう信頼とか、恋心を抱きだして、大事な人へと変わっていく…っていう。後半では、信長を思うがゆえに離れていったというのもあると思っています。

-2人とも「愛」とともに変化していくと

綾瀬 すごく愛情深い2人だと思いますね。愛情深いけれど、時代だったり、いろんなことに翻弄(ほんろう)されて、素直に言えないこともあったりして。意地っぱりだし。それでも奥底ではとってもお互いが相手を思い合っていて。相手を思っている強さっていうのは、すごい深い夫婦だろうなって。(第3回につづく)

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◆「レジェンド&バタフライ」 東映70周年記念映画で、総事業費20億円をかけた大作。「LEGEND(レジェンド)」は“魔王”と恐れられた木村演じる信長、「BUTTERFLY(バタフライ)」は「帰蝶」とも呼ばれた綾瀬演じる濃姫を指す。脚本は古沢良太氏。政略結婚という最悪の出会いから、真の夫婦となり天下統一を果たすまで、激動の時代を生き抜いた男と女の30年の軌跡と、本能寺の変の“謎”を描き切る。宮沢氷魚、市川染五郎、音尾琢真らも出演。