NiziU 夢をかなえ未来に進化 この9人ならワールドツアーも夢物語じゃない
9人組ガールズグループNiziUが、「映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」で、初の映画主題歌を担当している。新曲「Paradise」が、映画に彩りを与えている。20年12月のコロナ禍でデビュー後、着実に1歩1歩前進してきた。初のドーム公演も終えた今、次はどこを目指すのか。ワールドツアー、女性アーティスト初の新国立競技場でのライブ-。彼女たちの向上心は、尽きることがない。【取材・構成 佐藤勝亮】
★デビュー2年「肝据わった」
「We need U! 私たちNiziUです」。明るく元気なあいさつで、場の空気が一気に温まった。20年12月のデビューから2年以上が経過した。礼儀正しさや仲の良さが変わらない一方、冷静さと顔つきが明らかに変化していた。
MAYA(20) 「2年間いろんな経験をしたからこそ、肝が据わってきたというか。みんな自分に自信を持ち始めて、緊張とかもだいぶなくなってきたのかなと思います」
デビューから2年という短い期間で、国民的アニメ「ドラえもん」の映画主題歌に決定した。初の映画主題歌が「ドラえもん」という“異例”の抜てき。楽曲は「ありのままの自分でいい」と思いが込められた、ミディアムバラードだ。
MAYA 「全員がドラえもんをずっと見てきたので、主題歌だと聞いた時、『わー!』って喜んで、すごく感動的でした」
RIKU(20) 「映画を見て、めちゃくちゃ感動して大号泣しました。さらに、映画の内容と歌詞がマッチした『Paradise』を聞いて『自分は特別な存在なんだな』と感じることができました」
同曲はミニアルバムが2作連続で米ビルボードのメインチャート「ビルボード200」で1位を獲得した事務所の先輩・Stray Kidsの3RACHAがプロデュース&作曲を担当。リーダーのバンチャンはレコーディングにも立ち会ったという。
RIMA(18) 「ずっと私たちの憧れのグループだったので、最初に聞いた時はビックリしちゃって。私はレコーディングがトップバッターですごく緊張していたんですけど、バンチャンさんが関西弁で『ええやん!』とか言ってくださって(笑い)。すごい雰囲気が良かったですね」
★女性史上最速ドーム公演
主題歌決定は、昨年の京セラドーム大阪でのライブでサプライズ発表した。昨年は初の単独ツアーを行い、アリーナ16公演&ドーム4公演、計“NiziU公演”を実施。MAKOは「本当に夢のような空間でした」と、笑顔で振り返る。デビュー後約1年11カ月での東阪ドーム公演は、女性アーティスト史上最速記録となった。
RIO(21) 「絶対にその記録は破られたくないなーって、ちょっと素直に思います。ツアーを通してお互いを助け合って、支え合って、さらにチームワークが深まったと思います。『あ、NiziUでよかったな。この子たちとだったら、きっと一緒に長く、何年間でも活動できるんだろうな』ってすごく思いました。そこの部分は強みにもなると思います」
年が明けると、新型コロナの規制が徐々に緩和。1月にJ.Y.Parkのライブにゲスト出演した際には、念願だった初の歓声も聞いた。
MIIHI(18) 「初めて聞くお客さんの声だったので、すごく感動しました。初めの私たちが出る時の『ブアー』っていう歓声で、いつものライブより気持ちも高まって、すごいテンションを上げてパフォーマンスができました」
同ライブでは、生みの親のPark氏とのコラボステージも披露した。
AYAKA(19) 「『Make you happy』で、一緒に縄跳びダンスをするステージがあったんですけど、まさか自分がこうして今、Parkさんと一緒に踊っているなんてって感動しました。すごく楽しくステージができました」
気づけばデビューから2年以上が経過した。デビュー当時にはいなかった“NiziU歳”超えは、もう4人もいる。
NINA(18) 「本当に濃い2年間でした。こんなに経験していいのかというくらい、本当にたくさんの経験をさせていただいて。コロナ禍でファンに会えないのかなとか不安もたくさんあったんですけど、本当にいろんなすてきなことが起きて、NiziUになって人生で一番幸せな2年間でした。他のところに行ったら絶対経験できない、NiziUだけの特別な期間でした」
共同生活で、より絆も深まっている。
MAYUKA(19) 「私にとって、メンバーは家族ですね。まだ出会って3~4年目ですけど、本当に第2の家族みたいだなって思います」
★「意欲ある限りゴールない」
今年は海外活動にも力を入れていく予定だ。デビュー当時に夢だと話していたドーム公演を達成した今、次はどこを目指すのか。
MAYA 「私たちが満足いくところが、ゴールなんじゃないかなと思っています。夢だったドーム公演は終わったんですけど、でもまだ『もっとこうしたい』っていう意欲がそれぞれあるので、それがある限り、多分ゴールはないんだとも思います」
MAKO(21) 「ライブでまだ行けてない地域とか、まだNiziUを知らない方もたくさんいらっしゃると思うので、まずはNiziUという私たちのグループを、もっともっとたくさんの方々に知っていただきたいです。あとは去年、海外でもイベントに参加させていただいたので、私たちも使える言語を生かしながら、世界に向けての活動を広めて行けたら良いなって思います」
事務所の先輩であるTWICE、ITZYなどは、ワールドツアーを行っている。まだ先の話になるが意欲はあるのか。
MAKO 「ワールドツアーもしたいですね。あと最近、メンバーと『ドームの次に広い会場ってどこだろう』って話したんですよ。新国立競技場でライブをされた女性アーティストが、まだいらっしゃらないと思うので『じゃあ次は、そこに歴史を残せたらいいね』って話しました」
ドーム最速公演達成など、これまでも多くの新記録を樹立してきた。この9人なら、本当に新国立でライブをするのも夢物語ではないはずだ。
▼オーディションから応援してきた、ハリセンボン近藤春菜(40)
NiziUのことは、ありがたいことにNizi Projectから見守らせていただいて、今ではもう、NiziUの寮母という立ち位置で、NiziUからもママと呼んでもらっています。
オーディションの頃から求められることが高度なレベルで、それを乗り越えてきたみんなだからこそ、実力はものすごく、でも、会うたびにまだまだ成長し続けていて、会うたびにプロの顔になっています。アーティストとして、Nizi Projectを知らない方にも、パフォーマンスを見て好きになってもらうことはひとつ大きなことだと思いますし、そうなっているのは素晴らしいことだと思います。
今後は、新曲「Paradise」でも表現しているように、世界中探しても他にいない大切なメンバーと心のままに、やりたいことに進んでほしいです。コロナ禍の大変な中、夢をつかみ、やっとファンの方々の前でライブができたNiziUに、ファンの方の声援を生で聞いて欲しいし、ファンの方にもたくさんの夢を与えて欲しいと思います。そのためには、心身ともに健康第一。寮母にできることはなんでもするよ!
◆NiziU(ニジュー) オーディション番組「Nizi Project」から誕生し、20年12月「Step and a step」でデビュー。同年の「NHK紅白歌合戦」に初出場し、昨年まで3年連続出場。22年5月には韓国で初パフォーマンスを披露するなど、海外でも活動。昨年、初の単独アリーナツアー&東阪ドームライブ、計20公演を完走した。
メンバーは以下の通り。
◆MAKO リーダー。2001年(平13)4月4日生まれ。
◆RIO 元気の源。2002年(平14)2月4日生まれ。
◆MAYA 白鳥。2002年(平14)4月8日生まれ。
◆RIKU エネルギッシュなリス。2002年(平14)10月26日生まれ。
◆AYAKA ふわふわビューティー。2003年(平15)6月20日生まれ。
◆MAYUKA カメレオン。2003年(平15)11月13日生まれ。
◆RIMA 魅力的なボイス。2004年(平16)3月26日生まれ。
◆MIIHI スマイルメーカー。2004年(平16)8月12日生まれ。
◆NINA 明るい末っ子。2005年(平17)2月27日生まれ。
◆「We need U 2023」
毎年1月1日に発表する、1年の活動目標のこと。昨年は「シングルリリース」「ファーストコンサート」など7つが発表され、全て達成。今年は「セカンドライブツアー」「海外活動」など、新たに7つの活動目標を公開。